2025.04.11不正検知ソリューションの選び方：必ずチェックしたい10の質問

本記事は、Sift Science, Inc.のBlog記事「How to Choose the Right Fraud Prevention Solution: Top Questions to Ask」を日本語に翻訳したものです。

本記事の著作権は、Sift Science, Inc.および同社の国内パートナーである株式会社DGビジネステクノロジーに帰属します。

Sift Trust and Safety Team 著 / 2025年1月23日

2023年、大手企業（年商10億ドル以上）の84%が、不正の試み、もしくは実際の被害を経験しました。不正による損失は、企業の年間売上の平均5%にのぼり、2023年から2028年の間に発生するオンライン決済不正による損失は、世界全体で3,620億ドルを超えると見込まれています。

こうした不正の増加を背景に、企業はセキュリティ戦略に一切の抜けや隙を許すことができません。不適切なソリューションを選んでしまえば、リスクの見落としによる損失に直結してしまいます。

この記事では、ベンダー選定時に確認すべき重要な質問をご紹介します。

不正検知ソリューションを評価する際に確認すべき10の質問

最適な不正検知システムは、自社のビジネスニーズに合致している必要があります。そのためには、導入メリット、リスク対応範囲、カスタマイズ性、スケーラビリティ（拡張性）、自動化機能、導入後のサポートといった複数の側面から検討することが欠かせません。

以下の10の質問を参考に、最適なソリューションを見極めましょう。

1.このソリューションは、どんな不正にどの程度対応できますか？
決済不正、アカウント乗っ取り、チャージバックなど、さまざまなリスクに対応できる堅牢なセキュリティが提供されているかを確認しましょう。

2.自社に合わせて検知ルールや設定を柔軟に変更できますか？
カスタマイズ性が高ければ、企業固有のリスクやユースケースに即した対応が可能になります。

3.なぜ特定の取引が不審とみなされたのか、その背景が分かるレポートやデータはありますか？
詳細なレポートは、不正調査の精度を高め、戦略の見直しにも役立ちます。

4.このシステムはリアルタイムで自動的に不正を検知できますか？
AIや機械学習によるリアルタイムの検知機能があれば、不正の手口の進化にも素早く対応できます。

5.ビジネスの成長に伴い、取引量が増えても対応できますか？
スケーラブルな設計がなされているかどうかは、将来の成長を支えるうえで重要なポイントです。

6.不正の関連性を見つけたり、調査を効率よく進められるようなツールはありますか？
ケース管理機能や分析ツールがあることで、調査の効率が飛躍的に向上します。

7.既存のツールやシステムとスムーズに連携できますか？
スムーズな連携が可能であれば、業務への影響を最小限に抑えられます。

8.導入後のサポートやトレーニング体制はどうなっていますか？
継続的なトレーニングやサポートがあることで、システムの価値を最大限に引き出すことができます。

9.自動で不正をブロックできますか？それとも頻繁に手動対応が必要ですか？
自動化により即座に不正をブロックできれば、対応の迅速化と人手の削減が可能です。

10.自社と同じような業種・規模の企業での導入事例はありますか？
同業他社での実績があれば、信頼性や自社への適合性の判断材料になります。

不正検知ソリューションの主な種類

不正検知ソリューションは、かつての手動チェックやルールベースの審査から進化し、現在ではAI、機械学習、行動解析、リアルタイム分析などの最新技術が活用されています。最新のプラットフォームは、信頼できる顧客の顧客体験を損なうことなく、高度なセキュリティを実現します。

主なタイプは以下の通りです：

■ポイントソリューション
特定の用途（例：デバイスフィンガープリント、ボット検知）に特化したソリューションです。専門性は高いものの、広範囲な対策には他ツールとの併用が必要になることが多いです。

■Decision-as-a-Service（DaaS）
社内に不正対策の専門チームがない企業に代わって、判断ルールの設計や業務運用をベンダー側が担うモデルです。開発工数を減らせるというメリットがある一方で、対応ルールの柔軟な調整や、意思決定の主導権を持ちづらくなる場合があります。

■AI搭載型不正検知プラットフォーム
AIを活用した包括的なソリューションで、デジタル上のさまざまなリスクに対応できる高度な機能を備えており、リスクの変化に合わせて進化します。顧客の行動を複数の接点で分析し、知的なアルゴリズムによって不審な動きを検知します。柔軟性が高く、さまざまな状況に対応できるのが特長です。

■その他のプラットフォーム型ソリューション
ルールベースのソリューションは、あらかじめ定めたルールに基づいて取引をチェックする仕組みで、リスクが一定で予測しやすい環境では効果を発揮します。ただし、新たな不正手口には対応力が低く、AIソリューションに比べて柔軟性に欠ける点に注意が必要です。

不正検知システムに必要な基本機能

不正対策に「万能型」は存在しませんが、どのシステムでも備えるべき共通の重要機能があります。カスタマイズ性、透明性、自動化、スケーラビリティといった機能が欠けていると、成長企業のニーズに応えきれません。

ビジネスの成長に合わせて不正対策もしっかり機能させるために、以下の機能は特に重視すべきポイントです：

コントロール性（制御性）
導入システムは、自社のニーズに合わせて不正検知ルールや判断ロジックを柔軟に設計できる必要があります。理想的なプラットフォームでは、自社のリスク許容度に応じてリスク閾値を設定でき、正当な顧客の取引が誤ってブロックされるのを防ぐフィルターも調整可能です。カスタマイズ性が高いほど、ビジネスの変化に合わせてソリューションを適応させやすくなります。

透明性
不正の傾向を把握し、導入しているポリシーの有効性を評価するためには、オープンで分かりやすいレポートやインサイトの提供が不可欠です。優れたベンダーは、主要な指標への可視性を提供し、なぜ取引がフラグ付けされたのかを明確に説明してくれるため、意思決定の精度を継続的に高めていくことが可能です。

自動化
リアルタイムで不正を検知・遮断できる自動化機能があると、人的対応の手間を削減し、脅威に即応できます。リアルタイムで学習するアルゴリズムが人の介入なしに新たな脅威を特定することで、検知スピードが大幅に向上します。自動化が進むことで、現場の負担も軽減され、スタッフはより顧客体験の向上に集中できるようになります。

スケーラビリティ（拡張性）
ビジネスの成長に伴って、不正検知システムもその需要に対応できるスケーラビリティが求められます。検知精度を維持しながら、取引量の増加や決済手段の多様化、不正の変化に対応できる柔軟性は不可欠です。特に、柔軟性のあるクラウドベースのソリューションを選ぶことで、信頼性を保ったまま、将来的な拡張にもスムーズに対応できます。

調査支援ツール
効果的な不正調査を行うには、業務の効率化を図る高度なレポート機能や分析ツールが欠かせません。詳細なレポート、検索機能、ケース管理、可視化ツールなどの分析機能が充実していれば、不正の傾向やパターンを迅速に把握し、より有効な対策を講じることが可能です。

なぜ Sift が不正対策に最適なのか

不正検知ソリューションを選ぶ際には、制御性・透明性・自動化・継続的なサポートを兼ね備えたシステムであることが重要です。これにより、新たな脅威にも先回りして対応することが可能になります。

Siftは、リアルタイム機械学習とグローバルデータネットワークを活用し、包括的な不正検知・対策機能を提供しています。Siftの主な特長は以下の通りです：

・判断ルールの柔軟な設計が可能
自社のビジネスニーズやリスク許容度に合わせて、不正検知ルールを自由にカスタマイズできます。

・高い透明性
詳細なレポートとインサイトにより、根拠のある判断とポリシーの最適化が可能です。

・優れたスケーラビリティ
取引量やリスクの変化に応じて柔軟に対応し、検知精度を維持しながらスケールできます。

・手厚いサポート体制
Siftは、導入後も不正対策の最適化に向けて、専任のサポートと豊富な支援リソースを提供しており、運用開始後も安心して活用できます。

Siftの「オンライン不正検知ソリューション評価ガイド」をダウンロードして、自社に最適な不正対策ソリューションを見極めるための評価ツールをぜひご活用ください。